株式会社 ラックストン

2007年06月23日(土)山梨日日新聞

長時間保冷剤を開発 富士吉田・ラックストン
電子部品の製造過程で考案 食品の鮮度保持に効果

 電子部品製造のラックストン(富士吉田市小明見、宮下博一社長)は、長時間低温保冷ができる保冷剤を開発し、事業化に乗り出した。保冷剤は用途に応じ、「冷蔵」「氷温」「冷凍」の三温度帯があり、盛夏でも八時間効果が持続するタイプもある。ケーキ販売など業務用としての活用が見込まれ、保冷物の特性に合わせた包装箱なども提案する。同事業は二十二日、関東経済産業局から中小企業新事業活動促進法に基づく「新連携計画」に認定された。
 開発した保冷剤は、ケーキの保冷に最適な「マイナス五度タイプ(冷蔵)」、アイスクリーム用の「マイナス十度(氷温)」、冷凍食品向けの「マイナス二十度(冷凍)」の三種類。同社によると、一般に流通する保冷剤は水主成分とした「零度」タイプで保冷時間が短い。そこで、食品の鮮度保持に最適な温度帯(マイナス二十度から五度)が長時間保てるよう、寒剤に特殊素材を混ぜた新たな保冷剤を開発した。
 ラックストンは、時計部品や水晶振動子などの製造を手掛け、電子製品の発熱を抑える素材として、二○○四年から保冷剤の開発を始めた。






2007年06月23日(土)日本経済新聞

ラックストンの保冷剤開発、「新連携計画」に認定――関東経産局、県内3件目。

 関東経済産業局は二十二日、複数の中小企業による新規事業を支援する「新連携計画」について山梨県富士吉田市のラックストン(宮下博一社長)を核とする案件を認定したと発表した。県内企業が核となる案件は三件目。これまでの二件と同様、山梨中央銀行が支援金融機関を務める。
 ラックストンは精密部品の製造が主力だが新規事業として食品向け保冷剤の開発を進めてきた。温度帯を柔軟に設定できる点を売り物に、洋菓子店などへの供給を始めており、今後の成長性が大きいという評価を受けた。柳井紙工(山口県平生町)と連携し、本格的な事業化を目指す。
 新連携の事業期間は五年間で助成は最大三千万円。県内では計測装置のコアーズ(都留市)と切削加工器具の富浜精工(大月市)を核とする案件が認定を受けている。